映画になったシェークスピア作品に関する独り言

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原題公開年邦題主演
Hamlet 2000 ハムレット Eathan Hawke主演 現代版
Love's Labour's Lost 2000恋の骨折り損Ken主演
A Midsummer Night's Dream 1999夏の夜の夢 Michelle Pfeiffer出演
The Tempest 1998 テンペスト Peter Fonda主演のTV
Twelfth Night: Or What You Will 1996十二夜 Helena Bonham Carter出演
Romeo + Juliet 1996 ロメオとジュリエット Leonardo DiCaprio版
Hamlet 1996 ハムレット Kenneth Branagh("Our Ken")監督主演
Looking for Richard 1996リチャードを探して Al Pacino監督主演
Othello 1995 オセロー Laurence Fishburne+Ken出演
In the Bleak Midwinter 1995 世にも憂鬱なハムレット達 Kenneth Branagh監督
Richard III 1995 リチャード三世 第2次大戦バージョン
Much ado about nothing 1993 空騒ぎ Kenneth Branagh監督
Prospero's Books 1991 プロスペローの本 Peter Greenaway監督
Hamlet 1990 ハムレット Mel Gibson版
Rosencrantz and Guildenstern
Are Dead
1990 ローザンクランツとギルデンスターンは死んだ。 Gary Oldman+Tim Roth主演
Henry V 1989 ヘンリー五世 Kenneth Branagh監督主演
The Tempest 1980 テンペスト Derek Jarman監督
Macbeth 1948 マクベス Orson Welles主演
Hamlet1948ハムレットLaurence Olivier監督主演
Henry V1944 ヘンリー五世 Laurence Olivier監督主演





Hamlet

Directed by Kenneth Branagh!
Brian Blessed .... Ghost
Kenneth Branagh .... Hamlet
Richard Briers .... Polonius
Julie Christie .... Gertrude
Judi Dench .... Hecuba
Nicholas Farrell.... Horatio
John Gielgud .... Priam
Charlton Heston .... Player King
Derek Jacobi .... Claudius
Rufus Sewell .... Fortinbras
Kate Winslet .... Ophelia
Michael Maloney .... Laertes
我らがKenの4時間バージョンHamlet
これだけ豪華なハムレットはもうできないのじゃないだろうか。キャスティングをみただけでも恐ろしい。ギャラは安かったらしいけどね。
オフィーリアが狂気に落ちていかなければならない理由がはっきりとしているのが印象的。また、オフィーリアの狂気をはかなく美しく描く事が多いのに、この映画では狂気をまともにかいているところがすごい。捨て身のKate Winslet
最後の場面(Act5 Scene2)は見事。こざかしい毒殺の応酬の外で、しのびよる王国の破滅。フォーティンブラスの野心。でも、フォーティンブラスの戴冠とハムレットの遺言をうまく結合させたのは、映画ではこれが初めての成功例のような気がする。正当な権利を主張しながら正面の王座に座らなかったフォーティンブラスの真意は?

Charlton Heston, Judi Dench , Sie Johnをちょい役につかうなんざ、Our Kenはあらっぽい。

エルシノア城としての、Oxfordのブレナムパレスでのロケが美しい。ブレナムパレス自身が巨大なので、ほとんどそのままお城につかえたみたい。まむし2匹がやってくるときの機関車は本当にある。


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Hamlet

Directed by Franco Zeffirelli
Mel Gibson .... Hamlet

Glenn Close .... Gertrude
Alan Bates .... Claudius
Paul Scofield .... The Ghost
Ian Holm .... Polonius
Helena Bonham Carter.... Ophelia
Stephen Dillane .... Horatio
Nathaniel Parker .... Laertes
Pete Postlethwaite .... Player King

Mel Gibson版ハムレット。企画ではずいぶんたたかれたのじゃないかと思う。腺病質系ハムレットが標準なのだから。でも、Mel Gibsonはうまくやっったと思う。新しいハムレット像というほどではないけれどね。
役者Mel Gibsonとしてはアクション俳優からの脱皮として成功か。
大事なのは大物Glenn Close。Glenn Close が演じる王妃が、少女の様に無邪気。天真爛漫ゆえに人の悪意を理解できない。王妃から罪の影をすっかり消してしまう演出は珍しいのではないだろうか。もっとも、最初のハムレット王葬儀の場面の視線は微妙。

Helena Bonham Carterの演ずる、狂気ではなく感情を失った抜け殻としてのオフィーリアは、ヒステリックな笑いよりもはるかにオフィーリアの悲劇を表している。やはりHelena Bonham Carterは古典をやると見事。

劇中王を演じていたのが、今をときめくPete Postlethwaiteだったというのに今気がついて驚いた。

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Hamlet

Directed by Sir Laurence Olivier
Laurence Olivier .... Hamlet
Norman Wooland .... Horatio

かのSir Laurence Olivier版ハムレット。
古典中の古典。

ラストシーンでフォーティンブラスを消して、ホレーシオに置き換えてしまったのはなぜなのだろう。ホレーシオには王族を弔う資格はあるまいに。

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Henry V

Directed by Kenneth Branagh!
Derek Jacobi ....Chorus
Kenneth Branagh ....Henry V
Brian Blessed ....Exeter
Ian Holm ....Fluellen
Daniel Webb(I) ....Gower
Richard Briers .... Bardolph
Geoffrey Hutchings ....Nym
Robert Stephens(I) ....Pistol
Judi Dench .... Mistress Quickly
Paul Scofield .... French King
Michael Maloney .... Dauphin
Richard Easton (II) .... Constable
Christopher Ravenscroft .... Mountjoy
Emma Thompson .... Katherine
Harold Innocent .... Burgundy

我らがKenのヘンリー五世。
オリビエ版にくらべかなり大幅にせりふのカットがあり、戦争と悲劇と権力者のヒロイズムの対比を強調している。特に、アジンコートの戦い後の長い長いショットでの反戦メッセージは明瞭。やはり、第二大戦中に作成されたオリビエ版とは時代背景の差が歴然としている。Fluellenの原作での道化ぶりをカットして語り部の色彩が濃くなっているのは特徴か。暗く陰鬱なイングランド王宮と、明るくはでやかなフランス王宮の対比。また、ヘンリーとピストル、バードルフたちの対比。ピストルに見られる民衆の絶望としたたかさ。

この映画の後、多くのKeb作品で繰り返し使われる役者の大部分がこの映画に出演している。いわばKenファミリーの原点か。 個人的には、Mountjoy が一番印象的な役者だった。

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Twelfth Night: Or What You Will (1996)

Helena Bonham Carte .... Olivia
Richard E. Grant .... Sir Andrew Aguecheek
Nigel Hawthorne .... Malvolio
Ben Kingsley .... Feste
Mel Smith .... Sir Toby Belch
Imelda Staunton .... Maria
Toby Stephens .... Orsino
Imogen Stubbs .... Viola
Nicholas Farrell .... Antonio
Steven Mackintosh .... Sebastian
Sid Livingstone .... Captain
Alan Mitchel .... Valentine

ほとんど原作通りの喜劇。Helena Bonham Carterは誇り高い貴婦人をやるとやはりうまい。血のなせるわざか。一方で、Violaに恋してしまう瞬間のうろたえと輝き。すごい美人でないだけに、内面の表現が光る。
Violaは男装ながら可憐。Orsinoへの思いとメッセンジャーとしての忠誠心。この芝居での勘違いを全てしっている唯一の存在として、かえって自分の恋を秘めなければならない苦悩とそれを笑いとばす強さ。しかも主人には嘘をついていない潔癖と機転。
CaptainをやっているのがHamletでホレーシオをやったひとだから、知的なイメージがあり、勇敢な船乗りにはちょっと違和感。
FestaにBen Kingsleyがきているのには驚いた。たしかに十二夜のFesteは存在感のある重要な役どころではあるけれど。
ロケ地になったSt.Mickel's Mountの風景は私もとても好きな風景。あのあたりはマラザイオンっていう村だった。よそ者はマラジオンというそうな。ドーバーのあたりの白亜の断崖も美しい。

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Richard III (1995)

Ian McKellen .... Richard III
Annette Bening .... Queen Elizabeth
Kristin Scott Thomas.... Lady Anne
Jim Broadbent .... Buckingham
Robert Downey Jr ..... Rivers
Maggie Smith .... Duchess of York
Nigel Hawthorne .... Clarence
Jim Carter (I) .... Hastings
Dominic West .... Richmond
John Wood (I) .... King Edward
Adrian Dunbar .... Tyrell
Kate Steavenson-Payne....Princess Elizabeth

舞台を第二次世界大戦前夜に設定したRichard III。定番ながらIan McKellenの陽気な悪党ぶりは魅力。リチャードの王位奪取をナチスの政権奪取にかさねていて、特にバッキンガムなんかゲーリングにちょっとにている。
演出で、王妃エリザベス一族にアメリカ人俳優をあてて、RIchardと王妃との対立を英国人対アメリカ人の対立で表現しているのはちょっとおもしろい。Robert Downey Jr なんぞいわゆるインディアンの羽根飾りをかぶっている。微妙に英国映画界のアメリカ感がでているかな。
Maggie Smithが事実上の二役を演じきるところがすごい。Maggie Smith位でないとこの難しい二役はできないんじゃないかな。映画版シェークスピアは時間短縮のため、登場人物を節約する事が多いようだ。
さすが英国映画でロケ地にはこまらない。

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Much Ado About Nothing(1993)

Richard Briers.... Seigneur Leonato
Kate Beckinsale.... Hero
Imelda Staunton .... Margaret
Brian Blessed.... Seigneur Antonio
Phyllida Law.... Ursula
Emma Thompson.... Beatrice
Denzel Washington .... Don Pedro
Keanu Reeves .... Don John
Richard Clifford.... Conrade
Gerard Horan .... Borachio
Micheael Keaton....Dogberry
KenとEmma Thompsonのコメディー。これ以外ではPeter's Friendsくらい。Kenファミリー勢ぞろい、それにエマのお母さん(つまりKenの義理のお母さん)も。二人が突然互いに愛してしまう喜びのシーンはばかばかしいほどの明るさ。一方で、ベアトリスの要求をいれて、親友に決闘を申し込む際の迫力。若造はおびえるばかり。
なぜだか、全編にわたって清潔で健康的ではあるけれどエッチぽさがただよう。白い衣装を多用しているのはその ねらいだろう。特にオープニングのシャワーの場面は、このコンセプトを示していると思う。あからさまなシーンはだいけれど。その健康さがこの作品の根っこにある絶望的な暗さをすくっている。

映画とはいえ、Denzel WashingtonとKeanu Reevesを兄弟にしてしまうのも大胆。キアヌファンには納得できない映画かもしれない。あのせこい悪党ぶりでは。でも、キアヌはちゃっかりKenにシェークスピア演劇の指導を受けて、アメリカに帰ってからハムレットを演じたらしい。

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Rosencrantz and Guildenstern Are Dead(1990)

Gary Oldman.... Rosencrantz
Tim Roth.... Guildenstern
Richard Dreyfuss.... The Player
普通のHamletでは完全に脇役の小悪党の二人が主人公。とつぜん不条理の世界に入り込み、知らぬ間にHamletの騒動に巻き込まれ、結局理解できないまま処刑される二人の混乱。どちらかというとカルト映画かな。 最近日本でも芝居になりましたね。
Gary OldmanとTim Rothのかなり初期の作品。このころのGary Oldmanは切れていない。

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The Tempest(1998)(TV)

Peter Fonda.... Guideon Prosper
John Glover.... Anthony Prosper
Harold Perrineau Jr..... Ariel
John Pyper-Ferguson.... Gator Man
Katherine Heigl.... Miranda Prosper
Peter Fondaが演じるプロスペロー。舞台は南北戦争。呪いをといて自由になる事と、奴隷解放として自由と重ねた、アメリカのテレビらしい底の浅いかるさ。シェークスピア作品もアメリカテレビがつくるとこんなものか。

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Macbeth(1948)

Orson Welles.... Macbeth
Jeanette Nolan .... Lady Macbeth
Dan O'Herlihy .... Macduff
Roddy McDowall .... Malcolm
Edgar Barrier.... Banquo
Alan Napier.... A Holy Father
Erskine Sanford.... Duncan
Orson Welles監督主演。
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A Midsummer Night's Dream (1999)

Kevin Kline .... Nick Bottom
Michelle Pfeiffer .... Titania
Rupert Everett .... Oberon
Stanley Tucci .... Puck
Anna Friel .... Hermia
Calista Flockhart .... Helena
Christian Bale .... Demetrius
Dominic West .... Lysander
David Strathairn.... Theseus
Sophie Marceau .... Hippolyta
19世紀ヨーロッパ風の設定。新作にしては古典的な演出。全体にほぼ原作通りの演出。演出も古典的。恋人たちの脳天気なおちはいいかもしれない。原作からして、恋人たちの幻想の物語なのだから。
Michelle Pfeifferくらい存在感がないと、Titaniaは無理か。OberonとTitaniaがもう一組の主人公として存在感をしめさないと、この芝居はしまらない。 さて、空騒ぎでデンゼルワシントンとキアヌリーブスが兄弟なんだから、Sophie MarceauのHippolytaは全然あり。せりふはほとんどないけれど。
Kevin Klineのボトムはこんなものかな。「ワイルドワイルドウエスト」にでていたおまぬけな男とは思えない。

邦題が「真夏の夜の夢」となっていますが、間違いです。非常に有名な誤訳ですから、映画配給会社の勉強不足でしょう。あるいは映画を見ないで邦題をつけたか。この作品の舞台は、6月下旬のある一晩です。世界にはいろんな風土があるにしても、6月下旬を真夏と呼ぶ国はあまり多くはないでしょう。Midsummer はこの場合「夏至」の事です。夏至の晩に妖精の力が最大になる、という伝説が背景にあります。しかし、いまさら「夏至の夜の夢」ともできないので、最近は「夏の夜の夢」とする事が多いようです。

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Love's Labour's Lost (2000)

Kenneth Branagh.... Berowne
Alessandro Nivola.... The King
Alicia Silverstone .... The Princess
Natascha McElhone.... Rosaline
Matthew Lillard .... Longaville
Adrian Lester.... Dumaine
Nathan Lane .... Costard
Richard Clifford .... Boyet
Emily Mortimer .... Katherine
Carmen Ejogo .... Maria
Geraldine McEwan .... Holofernia
Richard Briers .... Nathaniel
映画化はかなりめずらしい「恋の骨折り損」。舞台は第二次大戦直前のヨーロッパの小王国。ミュージカル仕立てで、Kenが若くもないのにハリウッド風に踊るのが痛々しい。特にエロチックなダンスは本当に痛い。Kenにしてはおばかな映画。悪い映画ではないが、KENファンは目を覆うかもしれない。

台詞はすくないけれどRichard Clifford の存在がいい。「空騒ぎ」の小悪党とはうってかわって、お姫様を守る好人物。Geraldine McEwan、 Richard Briers のチョイ役はKenのいつもの手。シェークスピア作品の現代版では、語り部をニュースキャスターにしてしまうのは、割によく使われる手。

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Hamlet (2000)

Ethan Hawke .... Hamlet
Kyle MacLachlan.... Claudius
Sam Shepard .... Ghost
Diane Venora .... Gertrude
Bill Murray .... Polonius
Liev Schreiber .... Laertes
Julia Stiles .... Ophelia
Karl Geary (I) .... Horatio
Paula Malcomson .... Marcella
Steve Zahn .... Rosencrantz
Dechen Thurman .... Guildenstern
Rome Neal .... Barnardo
Jeffrey Wright (I) .... Gravedigger
Paul Bartel .... Osric
Casey Affleck .... Fortinbras
Ethan Hawke主演の現代版ハムレット。ホテルエルシノアを中心とするデンマーク社の会長をめぐる争い。多くのハムレットの中でも、ハムレットの病的、神経質、優柔不断な性格が強くでている。Ethan Hawkeだし。
珍しくオフィーリアの裏切りが明確なのに対し、狂気が淡い。現代劇にすると、父親に従順な娘という設定にするのは難しいらしい。
ホレーシオの存在を軽くしているのはなぜだろう。ただの兄ちゃんだ。セリフもろくにない。

アメリカ映画らしい完全に現代版の割には、せりふもストーリーもほぼ完全にオリジナルどおり。やはりハムレットを改作するには勇気がいるのか。それにしても、テューダー朝の古英語は現代米人にはどう聞こえるのだろう。

最後の決闘のシーンでのおちはうまく現代風にしている。やはり現代劇では無理があるからか、墓堀人とフォーティンブラスは出てこなかった。いまどきヨリックを掘り出すのは、そりゃ無理だ。

ラストシーンで株の51%を押さえたフォーティンブラスが登場するものと読んでいたのに、はずされた。

カイルは卑劣な悪党をやるとぎらぎら光る。

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Looking for Richard (1996)

Al Pacino.... Richard III
Penelope Allen.... Queen Elizabeth
Harris Yulin .... King Edward IV/ Himself
Alec Baldwin .... Clarence
Kevin Conway (I).... Hastings
Kevin Spacey.... Buckingham
Estelle Parsons.... Queen Margaret
Winona Ryder.... Lady Anne
これって・・・・・、映画か?

でも米国人のシェークスピアコンプレックスみたいのが見えておもしろい。

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