超初心者むけZ-codeの使い方メモ
Version: Mac版1.0.0
初心者としてZ-codeにとりくみ中。その記録です。
最初の動かし方の手順
1:「 新規解析」をえらぶ
2:表の下の「+」をクリックしてhistgramデータを読み込む
3:iMATERIAならば、「回折計ファイル」からiMATERIAのdiffractometerファイルを読み込む
4:「解析データを保存」ボタンをおして解析データファイルをつくる。
5:結晶構造データをcifから読み込む。cifがないのなら、「結晶モデル」アイコンをクリックして、編集ボタンをおし、空間群、格子定数、サイトなどを入力していく。
6:シミュレーションボタンをおし、計算をする。これで制約条件を自動計算してくれる。たとえば空間群できまるx-y-zの制約条件とか。
7:もう一回シミュレーションする。
8:実行する。
実行前に、二回シミュレーションするのがポイント。
最初は、プロファイルとか温度因子、原子位置とかは固定しておいた方がいい。でないと、格子定数すらあわせてくれない。
バックグランドがあっているかどうかのチェックが必要。
動く初期値を探すまでが大変。どれか一つの初期値がよくないと、全部のパラメーターが動かない、とか。
メモ
文章で説明しているいわゆるマニュアルはなく、PPTベースのPDFファイルでQuickGuide(80ページくらい)があって、基本的な使い方はかいてある。このPDFファイルは検索はできない。Guide上の「ラベル」はZ-code上では「サイト」と表記されている。
(160809)
ToFとdを結びつける数値を、Z-codeではコンバージョンパラメータとよんでいる。Z-code中のGUIで、1番目、2番目、3番目の数値が、QUickGuide上のC0,C1, C2に対応する「らしい」。Quickguide上には明確には定義されていない。この数値は装置グループからもらう。あるいは、回折計データをもらい。あるいは、装置グループからLaB6やSiなどの標準試料のデータをもらって自分できめる。LaB6の方がいいらしい。
設定をVにしても初期値からうごかない、という事がよくある。特にProfile関数とバックグランド。動かないが標準偏差はついたりする。エラーメッセージは表示されないから一見正常収束にみえる。パラメータをできるだけ止めていくと動いたりするが、ただ1個だけFitしても動かないときも多い。たぶんローカルミニマムに落ちている。0から作り直した方がはやいかも。(170215)
profile関数のパラメータ値を100倍とかにしてシミュレーションしても結果に反映されないことがよくある。0から作り直した方がよさそう。
パラメーターがうごかないときは、初期値を大きくかえてみるといいかもしれない。Profileの場合はは「初期値にもどす」ボタンを使うのも有効。初期値がよくないとまったく動かない、ということが多い。
原子位置が特殊位置ならばx,y,zを分数でいれることも可能。
初めはProfile関数のパラメーターはBL20グループからもらった回折計ファイルの値で固定しておくといい。だいたいあってから、Profile関数をひとつづつ動かしていくのがいいようだ。動かすのは主にsigmaG_SQとHL。それ以外は装置固有なので基本動かさない。
beta1, beta0とalpha,R0は装置固有なので、装置グループからわたされる回折計ファイルの値に固定しておき、動かさないのが基本。
初期値依存性がけっこう強いみたいで、初期値をあれこれかえてみて計算するといいかもしれない。また、最大反復回数を10くらいにしておくと、パラメータ値が収束せず3回くらい連続で計算しない一定値にならない場合がある。あるいは計算のたびに収束値が大きくかわることも。
アルミセルをつかったとき、アルミのブラッグはそのままでは合わないので、ローカル変数で、ずれているピークのピーク位置と強度をVにしてみる。巾はDのままがいいようだ。結晶サイズ、選択配向も動かした方がいい。場合によっては密度も。アルミはあいさえすればいいので、物理的にあり得ない値でもOK.
GUI上でパラメーターのF-V-DでFをえらべないときがある。このときはメニューの「ID」からFixをえらぶことができる。でも規約表現での磁気構造の磁気モーメントの大きさはメニューからもFIxをえらべないようだ。(160727)
見た目はまずまずあっているのにS値が極端にわるいときは、バックがずれている可能性がある。グラフは詳細な部分がみえにくいので、拡大してみる。
(160721)
バックをまったく合わせてくれないときがよくある。自分でよい初期値をさがす。一回あっても、その後の解析で大きくずれてしまうこともあるので、拡大して確認することをわすれずに。一度きまったらできるだけ固定しておいた方がいいかも。
バックグランドで、「ルジャンドル多項式*推定値」は使うのがあんがい難しい。むちゃくちゃな結果になったりする。
ピーク範囲は計算でピークを発生させる領域らしい。広くとりすぎて、ピークが重なりまくっているところをいれても計算時間が無駄にながくなるので、d<0.5Aをいれないようにしないようにする(試料によるが)。(160711)
除外範囲は不純物とか。両端の除外範囲はピーク範囲より内側にしておく。つまりピーク範囲の外は確実に除外しておく。(160711)
Z-codeは直接igorに出力できるが、多相のときのピーク位置のマークは全部同じ色とoffsetになってしまい、igorのグラフ上では区別がつかなくなる。自分でOffsetと色をかえないといけない。また、tabのテキストでも出力できるから、igor以外(カレイダとか)でもプロットはできるが、フォーマットの変更が必要。(160721)
Fittingの一致の善し悪しはS^2で評価するが、iMateriaは強度がつよいのでReが小さくなりがちで、Sが小さくなりにくいようだ。Rwpでみたほうがいいかも。S^2やRwp, Reはログの中にかいてある。どこにかいてあるかはちょっと分かりにくいが、以下の部分
* Histogram_A.
* S^2(Chi-square), degree_of_freedom.
7.434470E+00 9037
* Rwp, Rp, Re, d(Durbin-Watson).
2.337891E-02 1.805802E-02 8.574312E-03 3.801136E-01
でもログでは検索はつかえないらしい。(160721)
多相解析で問題がおきたら、ToF範囲をせまくしていくと解決するかもしれない。ToFの短い方をきっていく。BL20でのひとつの目安は4500usecくらいらしい。(170110)
多点解析のためにデータファイルをよみこむと、読み込んだ順に解析がおこなわれる。表で順番をかえることができるが、解析は読み込んだ順。たとえばRUnNoを逆順に解析したいときは、読み込み時のOpen Dialogでファイルの並びを逆にしてから読み込めばOK。(170131)
多点解析ののとき、読み込んだ後に表をソートしない方がいい。データと解析ファイルの関係が混乱する。(170131)
Mac版は、解析結果は自動で保存される。自発的に別名で保存することはできないようだ。フォルダー上で複製して名前をかえることになる。いつ保存されるかはよくわからないが、計算途中でフリーズすると内容がきえてしまうので、収束後かもしれない。なので、あぶないときは計算前に一回とじて、再読み込みして計算している。
多相解析で重量比をきめたいときは、初期値で重量比の総和を1にしておく必要があるらしい。アルミセルを使ったときはちょっと困る。(170131)
制約条件
パラメーターの範囲は制限をつけることができる。(170131)
制約条件をいれるときは、「制約条件」の中に書き込む。指定のやりかたは結構混乱する。(QuickGUideのP42あたり)(170210)
占有率が足して1になるー>dO(c:2)=-dO(c:3):c相の2サイトと3サイトで減った分が増える、ということ.
等方性変位パラメーターBは、dbeta(c:2)とか。dBは格子定数のb。
Cubicとかでa=b=cの当たり前の条件は、一つめの相は自動的に作ってくれる。しかし、後から立方晶相を追加すると最初のsimulationでエラーがでる。制約条件の画面の右半分にふやすべき制約条件が表示されるのでそれを左側にコピーする
原子位置の制約
dX(a:3) = dX(a:2)
a相の1サイトと2サイトのxを一致。
間違った制約条件を書くと、消去されてしまう。
間違った制約条件を書くと、エラーはでないが計算もしてくれない。初期値が変わらないで苦労したら、制約条件が間違っていないか、チェックする。
六方晶の計算で、自動計算で以下の式が表示された。 (QuickGuideの P47)
dA(e3N) = 2 * dF(e3N)
dB(e3N) = 2 * dF(e3N)
このFはγだが、式の意味はわからない。dA=dBではいけないみたいで、この式をいれないとエラーがおきる。
(170213)
どれか一つの制約条件の式が適切でないと、初期値から動かないがエラーも表示されない、ということが起きる。(170131)
あれやこれや
作成した解析ファイルで、データだけいれかえることはできないらしい。もう一度新規作成からやり直す。
相を新たに追加してFittingしたとき、ピーク位置のマークはあっているのに強度がでてこない場合は、プロファイルをみる。Fittingの結果、異常に大きい値になっているかも。(170131)
「結晶モデルを書き出す」でZDFファイルをつくるとき、磁気構造情報は保存されないらしい。だから、同じパラメーターで別なデータを解析するのが面倒。(170213)
計算途中でフリーズしまくるようになったとき、MacをResetしたら回復した。(170213)
一見、フリーズしたようにみえても、画面のkai^2がへっていれば大丈夫。うごいているのが見にくいので、勘違いすることも
(170213)
「回折計」画面で、粉末の密度の下にある角度は吸収補正のためだけにあるので、神経質になる必要はない。dとの変換はCOnversion parameterでおこなってる。
多ヒストグラム解析(異なるバンクのデータを一つの結晶パラメーターでFitする、とか)は、結果に注意した方がいい。うまくいかない、といううわさがある。(170213)
消衰効果の結晶子サイズは最初は0.1くらいで固定。選択配向も最初は1.0で固定(170213)
WIndows版のメモ
WIndows Windows 10 64bit
version 1411
Inter Core it-5200U 2.2GHZ +2
Z-code: 1.0.2
解析をくりかえしていると、マウスでのグラフの拡大ができなくなる、という事象がおきる。25回くらいでフリーズするらしい。16Gつんでもそうなるらしいから、スペックではなさそう。(160804)
マウスでのグラフの拡大ができなくなったら、ログをすこし前ので復元すると、拡大できるようになるらしい。あるいは解析ファイルを閉じて、開き直すと拡大できるようになるらしい。(160804)
相の名前は任意にかえられるけれど、Windows版の場合、相の名前が大文字のFで始まる(
Fe2O3とか)と、パラメーターのV-F-Dの制御で、Fixとして扱われてしまうらしい。Fittingかけてもうごかないことになる。動かないとは初期値から変化がなく標準偏差も±0になる、ということ。、理由もなく動かない場合は、相の名前をチェック。(160727)
Propagation Vector(基底ベクトル)で磁気構造を指定するばあい、基底ベクトルの係数をFIxすることができないようだ。(160804)
磁気構造解析で、磁気ユニットセルを選択するけれど、ファイルを開きなおすと全部立方晶にもどってしまうようだ。ファイルを開きなおしときは要確認(160804)
磁気構造解析のメモ
磁気格子を定義する場合。
1:結晶モデルで、編集→ 「磁気Collinear」を選ぶ。
2:サイトの左で磁性イオンにチャックをいれる
3:編集をクローズ
4:画面にユニットセルサイズの指定や磁気モーメント指定の入力が可能になる。
5:晶系を選択。正方晶以下なら磁気モーメントの角度の入力欄表示
6:磁気ユニットセルが格子と同じならTransformで1,1,1を入力。Z方向に2倍なら1,1,2とか
7:各サイトで磁性イオンの化学種をえらぶ
8:磁気ユニットセルに入る磁性イオンが全部表示されているので、磁気モーメントを設定
9:Collinear構造だけなので、Upまたはdownのみ。
10:g値は磁気形状因子の計算に使っている。
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