RIETAN-2000初心者の方へ
Update: 9-APR-2001
ここでは、まるで初めての方のために、RIETANの動かし方をご説明します。PowerMacのOSを前提にしています。RIETANの使い方の詳細はマニュアルか泉先生のホームページを御覧下さい。
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RIETANでの解析の流れ
- 必要なファイルは、泉先生のホームページからパッケージでダウンロードされます。パッケージを解凍すれば、RIETAN本体、実行に必要なファイル群、サンプルファイルが入手できます。Terminal版にはUnixの設定が少し必要です。Terminal版への道をご覧ください。一方、MacOS Carbonの場合は、特別なインストールは作業は不要です。MacOSXとMac0S9ならダウンロードしてそのまま使えます。
- RIETAN2000フォルダー内のTemplateフォルダーにサンプルが入っています。サンプルファイルのうち、*****.intがデータファイル、*****.insが結晶パラメーターなどの初期値が書かれたパラメーターファイルです。ファイル名の*****の部分はユーザーが自由に書き換えられますが、*****.intと*****.insで完全に一致している必要があります。
HERMESの解析には、たとえばTl2223J.insが参考になるでしょう。
- HERMESのデータをintファイルに整形する方法はこちら-->RIETAN-2000データファイル形式
- 上の*****.insファイル、*****.intファイルは同じフォルダー内においておく必要がありますが、RIETAN本体は同じフォルダーにおく必要はありません。ただ、エイリアスをおいておくと便利でしょう。
- サンプルファイルTl2223J.insをもとに自分のinsファイルを作る場合、かならず変更しなければいけないのは以下のパラメーターです。それぞれ実際の試料に対応した値を入力しておきます。
67行目 XLMDN = 1.5401: 中性子の波長
110行目 'Tl' 2.0 'Ba' 1.6 'Sr' 0.4 'Ca' 2.0 'Cu' 3.0 'O' 10.0/
161行目 VNS1 = 'I-139':
371行目 CELLQ 3.84697 3.84697 35.4833 90.0 90.0 90.0 0.0
379行目~ Tl/Tl 0.886304 0.5 0.5 0.220233 1.9074 10011 他
以下のパラメーターも変えておいた方がよいでしょう。
- 43行目 Tl2(Ba0.8Sr0.2)2Ca2Cu3Oy: タイトル
- 68行目 RADIUS = 0.5: 円筒状試料セルの半径/cm.
- 69行目 DENSTY = 0.0: 密度/g.cm**(-3).*
- 159行目 PHNAME1 = 'Tl-2223': 相の名前
- 195行目~ IHP1 = 0: 選択配向ベクトル hp, kp, lp.
より詳しい説明はinsファイルの説明をご覧ください。
- 計算を開始する方法は、RIETAN-97bとRIETAN-2000では異なります。Mac OSの場合は、
Terminal版
Unixのばっちファイルで走らせるか、x.commandファイルをつくっておいてアイコンクリックで走らせます。詳しくはTeminal版への道をご覧ください。
RIETAN-2000(泉先生よりご指摘いただきました。)
計算を開始するにはrietanのアイコンをダブルクリックし,openダイアログで*****.insを選択するとRIETANが走りはじめます。AppleScriptで書かれたExrietを使うと,よりエレガントにRIETANを走らせることができます.
RIETAN-97b
*****.insファイルのアイコンをRIETAN本体のアイコンか、エイリアスのアイコンに重ねて下さい。これでRIETANが走り始めます。計算結果などは*****.ins, *****.intがあるフォルダーに出力されます。
Windows版のユーザーは、配布されているreadme_win.txtをよく読んでください.私は知りません。
- パラメーターの動かし方などの初心者向けアドバイスはこちら--->パラメーターを動かす順番の説明
- たいていの場合、*****.ins内のパラメーターは、計算終了時に収束値に書き換えられます。ですから、いちいち*****.insを書き換える必要はありません。
- パラメーターの長い表を出力してプログラムが停止すれば、計算は正常に終了しています。
insファイルに問題があったり、計算が発散したりするとエラーメッセージを表示します。
- 計算結果のグラフ表示のためにIgorProが必要です。
Fitting結果のグラフは最新バージョンでは*****.itxの名前で、Igor形式で出力されます。*****.itxのアイコンをダブルクリックすれば、自動的にグラフを表示してくれます。Igorをもっていれば。Igorがない場合は、gnuplotなどが便利です。なお、旧バーションでは.patファイルが出力されます。
- 結果があっているかどうかの判断は必ず計算結果のグラフを見て判断してください。たとえ計算は収束しても、グラフではあきらかにあっていない場合がしばしば起こります。
- ずれには大きく分けて2種類あります。
- 積分強度はあっているが、ピーク位置あるいはピーク形状があっていない場合。この場合、残差は微係数のような形になります。
- 位置、形状はあっているが積分強度があっていない。この場合、残差にピークができます。
後者の場合は、選択配向、吸収、占有率をチェックします。それでもだめなときは、モデルが間違っていないか考える必要がありますので、ずれているピークの指数をチェックして、系統性があるかどうかを確認します。 前者の場合は、Shiftと格子定数をチェックします。それでもだめなら、初心者向きではありませんが、部分緩和を用いれば改善されるでしょう。部分緩和の指定の仕方はこちら--->解析のテクニック
- グラフでみて良くあっていたら、R因子をチェックします。Rwpの値は強度、測定時間に左右されますので、目安はRwpとReの比であるS値です。泉先生の教科書によれば、Sが1.3以下になれば良くあっているといってよいそうです。HERMESの場合、標準試料でS=1.3程度まであわせることができています。S>1.3だからといってだめなわけではありませんが、S>2だと人には見せない方がよいでしょう。なお、論文には最低限Rwp,Re,Sはかならず示します。
- 意外に感じるかもしれませんが、統計のよいデータの方がS値が悪くなる事がよくあります。ピーク関数の精度が問題になってくるからです。逆に、S値が良いのは単に測定時間が短かくて統計が悪いせいかもしれません。また、ピークの存在しないバックグランド領域が広いほどS値は良くなります。ですから、条件の異なるデータ間でのR値、S値の比較はあまり意味がありません。
- 収束値のテーブルをチェックして、物理的に意味のない値に収束していないかをチェックします。たとえば、原子変位パラメーターBが負になっている、占有率が1より大きすぎる、あるいは小さすぎる、positional parameterが0~1の範囲を越える、など。
解析の途中で、ときどきinsファイルを別名で保存しておくことをお勧めします。insファイル上の間違いなどで、RIETANがうまくうごかなくなってしまったとき便利です。RIETANが思ったように動かないときは、あれこれ悩むよりも、古いファイルに戻ってしまった方がはるかに時間の節約になります。
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泉先生のホームページには重要な情報がたくさんありますが、特に、
FAQ 、
リートベルト解析のノウハウとテクニック 、
リートベルト解析に必要な基礎知識
を良く読んでおくことをおすすめします。-->
泉先生のホームページ
解析にあたっては、標準試料によるサンプルファイル(RIETAN-97
b用)を用いる事をおすすめします。
詳しくは、
Sample Fileの情報をご覧下さい。
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パラメーターの順番]
パラメーターを動かす順番
いきなり全部を動かしても、収束しません。すこしつつ丁寧に回していくのが賢明です。パラメーターを動かす順番は、下の例が標準的で安全だと思います。各段階でかならず図をみて、あっているかどうか、ずれているならどのようにずれているかをチェックしてください。
RIETAN-97bの場合
- 第1段階 :Shift+Background(8個くらい)+Scale+lattice parameterだけを動かす。
- 第2段階-1: 第1段階+ 1つの原子のx,y,z
- 第2段階-2: 第2段階-1 + もう1つの原子のx,y,z
- 第2段階-3: 第2段階-2 + もう1つの原子のx,y,z
..............
- 第3段階:第2段階 + prefered orientation
- 第4段階:第3段階 + UVW あるいはU or V or Wをひとつつつ
- 第5段階:第4段階 + Asymmetry
- 第6段階:第5段階 + 各原子のBの値を一致させて計算
- 第7段階:第6段階 + 各原子のBの値を独立にして計算
RIETAN-2000の場合
RIETAN-2000でもプロファイル緩和を行わない時は、RIETAN-97bの例と同じです。
プロファイル緩和を行う場合の例は(たとえば)以下のとおりです。
- 第1段階 :Shift+Background(8個くらい)+Scale+lattice parameterだけを動かす。
- 第2段階-1: 第1段階+ 1つの原子のx,y,z
- 第2段階-2: 第2段階-1 + もう1つの原子のx,y,z
- 第2段階-3: 第2段階-2 + もう1つの原子のx,y,z
..............
- 第3段階:第2段階 + prefered orientation
- 第4段階:第3段階 + UVWなどの分解能パラメーター
ここで、いったん、x,y,zパラメーター、分解能パラメーターなどを固定して、
- 第5段階:図をみて単独ピークを探し、強度が大きくてかつプルファイルのずれの大きい単独ピーク1本についてプロファイル緩和を行う。
グラフで、そのピークの一致が向上した事を確認してから、
- 第6段階:第5段階 + 別な単独ピークをひとつプロファイル緩和に加える。
..............
プロファイル緩和がうまくいっている事を確認してから、改めて、
- 第7段階:第6段階+ UVWなどの分解能パラメーター
- 第8段階:第7段階+ x,y,zパラメーター
- 第9段階:第8段階+ 各原子のB
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