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冠詞の有無



冠詞の有無で意味ががらっと変わってしまう例

W.S. 「Much ado about nothing (空騒ぎ)」第1幕第1場

使者:And a good soldier too, Lady. (それにあの方は勇敢な戦士でもあります。お嬢様)
ベアトリス:And a good soldier to a lady: (女相手のときだけね。)

若い貴族ベネデイクトの事を賞賛する使者とそれをからかうベアトリスの会話。Ladyは無冠詞なので、この場合目の前にいるベアトリスに対する呼びかけで「お嬢様」。to a ladyになると、ladyが普通名詞になり、それも「ある一人の」女性ではなく女性全体をあらわしていて、「女性に対して」、という意味。a ladyで女性全体からどの一人を取り出してきてもよいので。でも、女相手でも二人になるとだめ。という含みもあるかもしれない。どうせ言葉あそびだし。

文字にすると少し違うけど、発音するとaの有無だけの違いです。それでこんなに意味が変わります。恐ろしいですね。


別なところでも書きましたが、
Excuse me, lady, have you got the time?
「すみません、お嬢さん、いま何時でしょうか?」

Excuse me, lady, have you got a time?
「すみません、お嬢さん、お暇ですか?」

限定できる時間と、限定しない時間の違い。haveも問題だなあ。


その他、fishとa fishやchickenとa chickenのように抽象名詞(fish)と普通名詞(a fish)の両方がある単語は、二つの意味が全く異なるので注意がいります。前者は食材や料理、後者は1匹、1羽、1頭の生き物(あるいは生き物の死体)です。だから、うっかりI ate a chiken.というとかなり気味が悪い。でも日本人なら、I ate a fish.は踊り食いという事でありかな。変わったところでは、Japanとa japan。違いがわかりますか?

a fish (一匹の魚)とfish(食材としての魚、魚料理)
a work(ひとつの美術作品、1冊の著作)と work(研究、作業)
a concern(ある関係)と concern(重要性)
an obscurity(不明瞭な個所のひとつ)とobscurity(不明瞭)
a room(一部屋)とroom(余地、空きスペース)
a rock(岩いっこ)とrock(岩盤)
a grammer(文法書一冊)とgrammer(文法、文法学)
a medicine(一種類の薬)とmedicine(医学)
the initiative(手始め)とinitiative(独創力)
a life(一人の命)とlife(生命)
a life(生活費)とlife(生活状態)
a government(ある国の政府)とgovernment(政治)
a life(伝記本一冊)とlife(生涯)


本のタイトルから:
"Knight's Cross, A life of Field Marshal Erwin Rommel "  by D. Fraster
「Knight's Cross、陸軍元帥エルウイン・ロンメルの伝記」
このlifeを不可算名詞の「人生」や「生涯」とおもっちゃうと、「ある生涯」とかおかしなことになりますね。人生はひとつしかないんだから。でも、a lifeで可算名詞なのですから「伝記本」です。実はこの本を買ってからずっと「生涯」と思っていて、変なタイトルだなと思っていたのですが、最近(2007年)、自分の書いた上の表を見ていて突然気づきました。(このサイトは便利だ。)
ところで、ロンメル伝はたくさんあるのでa lifeにしたんだろうけど、作者が自信家ならthe lifeでもあり。



レストランにて
Man: Waiter! Do you serve fish?
Waiter: Sit down, sir. We serve anybody.
英国にいたときに聞いたJokeから。(うろ覚え)
客は、fish=「魚料理」をだすか?と聞いているのに、ウェイターは"a fish"=「生き物としての一匹の魚」と聞き間違えてます。
「おや、お客さん、やっぱり魚なんですか。もしかしておとおさん? でもかまいませんとも。お座りください。どなただってお客様です。」
ってな感じ。


パブレストランにて
Man: Do you serve a kangaroo?
Landlord: Yes, steak, grill, or anything.
Man: So, a point of bitter for me, and milk for this kangaroo.
同じパターンのJokeの変形。(これもうろ覚え)
今度は逆にウェイターは、"a kandaroo"=「ペットのカンガルー」を"kangaroo"=「カンガルー肉の料理」と聞き間違えてます。


冠詞をつけるかどうかで悩む事が多いでしょうが、上の例のように、つけるつけないの問題ではなく、a fishとfishは(関連はあるが)全く別ものである事に気づかないといけません。当然、口語でも使い分けています。


ごくありふれた会話。

Sir Bedevere : "Tell me, what also floats on water?"
People : "Bread?."
People : "Apples.....",
People : "gravy...",
People : "very small rocks...."
Sir Bedevere : "No, no, no."
King Arthur : "A duck!"
Sir Bedevere : "Exactly!"
英国映画 Monty Python and The Holy Grail

ベデヴィア卿とアーサー王の出会いのシーン。ベデヴィア卿が出した、「水に浮かぶものには何がある?」という問いに対して村人が口々に答えているシーンで、正解は生きているアヒル1羽(a duck)。映画では思いっきり"A"を発音しています。"A"をはっきり言わないと、パック入りの鳥肉(duck)がでてきちゃいます。
それ以外も、数えられるものはちゃんと複数になってますね。

この映画は何百回みても死ぬほど笑える。


(ほんとに余計な事をまたひとつ。Hollywoodを聖林と訳していい気になっている映画雑誌がいまだたまにありますが、誤りです。エルがふたつあるでしょ?辞書でひいてみましょ。)

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