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中性子実験のセットアップが終わって。

学生さんの研究・勉強・生活


大山研究室は、固体物理学、磁性物理学の研究室です。マテリアル工学科の3年までの勉強とは全然違うことをやっています。理学部の物理に近い内容です。ただ、固体量子論と結晶解析学はそのまんま研究室の研究につながっています。


東海キャンパスで勉強と研究をすすめます。令和元年度は同じフロアに大山研の7人の学生の他に庄村研(生物系)、小泉研(高分子材料系)の学生さんが全部で15人くらいいます。東海全体で40人くらいの茨城大生が勉強しています。

東海キャンパスのある建物。(いばらき量子ビーム研究センター)

4年生の場合、まずは基本的な基礎物性測定(磁化測定、X線での構造解析)にトライしてもらいます。基本的な実験のやり方、実験ノートの取り方など実験系研究の基本を身につけてもらいます。それを助走として、徐々に本格的な研究実験に進んでいきます。中性子実験、放射光実験はチャンスがすくないので、すでにとったデータの解析からスタートしてもらう場合もあります。テーマは5月ころに決定します。

卒業研究、修論研究としては、J-PARCで中性子実験を行いそれを解析して、物質をミクロスコピックな視点で理解する、ということになります。基本的に教員が進めている先端的な研究のある物質について責任をもって取り組んでもらう、という考え方をしています。ですから、卒業のためのテーマではなく、それぞれ世界に通用する本格的な研究計画となるテーマで研究をすすめます。当然、よい結果がでれば学会で発表しますし、学術論文にします。

中性子実験、放射光X線実験の機会は希少なので、自分のテーマでなくても実験に参加してもらい、先端施設でいろいろな体験をしてもらいます。とくに放射光施設は、就職後にもつかう可能性がありますから、学生時代に経験しておくといいいでしょう。

実験ノートは支給します。卒業時には研究室の宝として保存します。


実験以外の通常の活動時間は平日朝10時〜午後5時です。

実験、とくにビーム実験中は週末も深夜も早朝もなく実験室にこもり、実験を続けます。徹夜もあるし3連休が実験でつぶれることもしばしば。

  
午前4時のJ-PARCでの戦い


固体物理学、物性物理学は茨城大工学部の学生さんにとっても未知の分野でしょう。ですから、他大学、他分野からの進学でもあまり不利にはならないはずです。もしも基礎知識に足りない部分があれば、別途勉強の指導をします。

基礎的な勉強として、4年生は名著「固体物理学入門」(著者:キッテル)のセミナーをやります。学生一人一人に担当をきめ、全員に固体物理を説明してもらい、みんなで勉強をします。
修士の学生さんは、英語論文を研究室のみんなに説明する形式で、セミナーをやります、


4年生の固体物理勉強会

研究テーマにおうじて、必要ならいろいろな言語を駆使します。いま研究室でつかっているのは
Python, C, C++, Laboview, Igorマクロ、Fortran90


研究室として学生さんの学会発表経験をとても重視しています。それが学生さんの大きな成長につながるからです。平成29年度はそれぞれ5回程度、学会などでプロの前で発表してもらいました。平成30年度はスペインで開催された国際会議にM1の二人が参加しました。年度内にそれぞれ4回程度のチャンスがあります。
--> 学生さんの学会発表

H30年度の学生さん5人のうち4人バイトをしていました。R1年度は(6月現在)7人のうち二人がバイトしています。きちんと予定を明らかにし、大人として行動してくれれば、実験期間以外はバイトやプライベート活動をするのはまったく問題ありません。コンサートにいくから数日休む、なんてのもOK。一方、実験はとても重要で希少なので、そのときは日程調整をしてもらいます。

H30年度の5人の学生さんのうち4人が東海村に引越しており、1人が日立からかよっていました。3人が車をもっていました。R1年度は、7人の学生さんのうち(6月現在)4人が東海にすんでいて、6人が車をもっています。東海に引っ越した時期はそれぞれで、最初から引っ越した人もいれば、1年くらい日立からかよってから引っ越した人もいます。


東海キャンパスは、日立キャンパスから車で30分くらい



学生室です。人数にしてはかなりせまい。でもいつもにぎやか。



時には学生部屋で飲み会が自然発生することも。

でも、令和元年の学生さん7人のうち3人はお酒を全然のみません。それでも飲み会はいつもにぎやかです。 なので、お酒のまない学生さんでも大丈夫。





東海という土地は・・・


東海キャンパスの正門で。(2017年4月)

東海での生活でこまること
  重要な学務情報がちょいちょい東海にこない。
  キャンパスに生協がない。
  証明書、学割は日立にとりにいく。
  東海キャンパスから歩けるところには食べるところがない。
  学生部屋がかなり狭い。
  学生間の口コミ情報が乏しい。特に就活。
  車かバイクがないとちょっと大変。
  だから飲み会がやりにくい。


東海キャンパスのいいところ
  事務の方々がとても親切
  物性物理分野では、実験設備が学内最高。
  まわりに研究者がたくさんいて、アカデミックな雰囲気がある。
  ガソリン代が日立よりすこしやすいかも
  車があれば、美味しいお店がたくさんある。
     ラーメン屋:麺次郎、つばき家、大盛軒、優勝軒、覇道、さっぽろ屋
     定食屋:魚康、ななかまど、住吉、なか食堂、餃子房、お魚センター、東里
     そのほか:うどん市、マナカマナ(カレー)、トラットリア パラン
  車があれば、ジョイフルホンダ、ファッションクルーズにすぐ。
  近くに無料のテニスコートがある
  東海村体育館(ジムあり)を使える。
  郵便局とコンビニがすぐそば。
  いい散歩道がある





学生さんの就職先

一般財団法人 材料科学技術振興財団(MST)


卒業研究論文、修士論文


4年生 卒業研究
卒研
2018年度 杉本和哉 白色中性子ホログラフィーによる熱電材料BドープMg2Siの研究
2018年度 山本隆文 希土類絶縁体YbAgS2の構造転移の研究
2017年度 上地昇一 白色中性子ホログラフィーによるRB6 (R: 希土類)の局所構造観測
2017年度 金澤雄輝 白色中性子ホログラフィーを用いたBドープSiの局所構造の研究
2016年度 青野美南 中性子回折による希土類フリー永久磁石材料α”-Fe16N2の相分解での窒素挙動観測
2016年度 福本陽平 中性子回折による希土類磁性体Yb5Ge4 の磁気構造解析


修士論文
修論
2018年度 福本陽平 中性子ホログラフィーの開発研究に伴うシミュレーションソフト開発と白色LED材料SiCの研究




実験

中性子実験、放射光実験はけっこう過酷で、週末、ど早朝や深夜の作業はあたりまえですし、徹夜もちょいちょいあります。長いときは1週間〜10日連続での実験になります。東海以外での実験の場合は研究施設の宿泊施設に宿泊して実験します。でも中性子実験は年に8回程度で、実験期間以外の大部分の期間は自分のペースでデータ解析と勉強です。最低限の旅費は支給します。

放射光X線施設SPring-8(兵庫県)での宿泊施設の部屋です。ひろくて清潔です。



上はJ-PARCでの中性子実験の風景で、時間は深夜3時ころです。


その場で解析をして、データをみています。実験期間中は実験室に張り付きます。


原子構造解析のための中性子回折実験中です。午前3時です。でも楽しそう。


東海キャンパスにある磁化測定装置で、磁性体の磁化測定の実験です。


  
東海キャンパスにある低温X線回折装置で、磁性体の構造転移の実験です。この実験で4年の石浮ュんがYbCuS2での構造転移を発見しました。


東海キャンパスにあるX線ラウエカメラで、単結晶の結晶軸の決定をしています。


Floating Zone法炉で単結晶育成です。理学部の伊賀先生の装置で、伊賀研の松浦さんのご指導をいただきました。


放射光X線施設SPring-8(兵庫県)で、蛍光X線ホログラフィーの実験です。このときはSPring-8の宿泊施設(快適です)にとまって実験をします。


普段の勉強

実験以外のときは、セミナーや勉強会によって、専門的知識を勉強します。学生さんが順番で専門書や論文を説明する形式です。4年生は固体物理の名著であるキッテルの教科書からはじめます。修士学生は英語論文の説明するセミナーをします。これ以外に、英語論文や中性子の教科書などで自主的に勉強します。

  
4年生はキッテルの教科書で固体物理の勉強会

  
修士学生は英語論文をよんで、それを説明するセミナーをします。でも大丈夫。説明は日本語です。

いろいろな研究者との交流

学内外の第1線の研究者と接することでアカデミックな雰囲気にふれる事、その道のプロと接することは、学生さんにとって重要な経験になるとおもっています。そのため積極的にそういった機会をつくっています。


希土類磁性体でのダイナミクスの研究の第1人者である岩佐先生と、名古屋大学での学会の際に食事をしているところです。(2016年12月)

ヨーロッパ放射光施設(ESRF:フランス)での実験中、共同研究者の方々とコーヒーをいただいているところ。手前のボーダーシャツが当時M1の福本君。(2017年9月)

SPring-8実験の合間に、ホログラフィー解析ソフト3D-Air-Imageの作者である SPring-8の松下先生から、その使い方や、プログラミング言語Pythonの使い方を直接教えていただいているところです。後ろから見ているのは、ドイツ人研究者のJenzさん(2018年7月)


放射光X線実験の専門家である、名古屋工大の木村先生といっしょに放射光X線実験の
セットアップをする上地くん(当時M1) (2018年7月)

発表経験

研究の成果を発表することは学生さんの成長にとても重要と考えています。なので研究がうまく進んで重要な成果がでれば、専門家が集まる学会やシンポジウムでの発表の機会をつくります。外部のプロの研究者と議論することで大きく成長してもらえるでしょう。H29年度は以下の学会、シンポで発表してもらいました。(最低限の旅費は支給します。)
○ 茨城大国際シンポジウム(水戸キャンパス)
○ 日本中性子科学会(福岡大学)
○ Korea-Japan Symposium on Neutron Science(東大物性研@柏)
○ 新学術領域「3D活性サイト科学」報告会(広島市立大)
○ 量子ビームサイエンスフェスタ(水戸)

H30年度は、中性子科学会、新学術領域「3D活性サイト科学」報告会、中性子科学会、量子ビームサイエンスフェスタ、物理学会での発表を予定しています。
事前にしっかり発表練習の指導をしますから、発表経験がなくても心配ありません。下の写真は、著名な研究者であるAnderson先生に当時4年生の福本君が希土類化合物の磁性について説明しているところです。初めての発表で、しかも英語なのに、堂々とやってのけました。



  
当時4年生の青野さんが、英語で研究の概要を説明をしているところです。(2016年11月)


福岡大で開かれた中性子科学会で、専門家の先生と議論する4年生の上地くん。楽しそうです。(2017年12月)


スペインのOviedoという街で開催されたヨーロッパ結晶学会に参加し、当時M1の金沢くん、上地くんが100%英語で発表しました。(2018年8月)

英語?

大山研究室では英語を使う機会が他の研究室よりすこし多いかもしれません。共同研究者に外国人が多いからです。 ですが、これまでの学生さんもちゃんと会話をしていますから、心配することはないとおもいます。元々、いまの学生さんの英語のポテンシャルは結構高いとおもっていて、あとは経験値をつむだけだとおもいます。 なので、英語での発表の機会もできるだけ作ります。その際は発表練習をがっちりやるので、これも心配ありません。

H30年5月に外国人研究者が2週間ほど研究室に滞在しました。そのときは学生部屋にはいってもらいました。実験に外国人研究者が参加することもあるので、そのときは公用語は英語になります。


J-PARC実験の合間に、ドイツ人研究者のBenedictさんとJensさんとランチです。(2017年2月)


フランスの放射光実験施設ESRFでの実験中で、当時M1の福本くんが測定を操作しています。奥にいるのはフィリピン人のArtonyさん、手前はドイツ人のJensさんです。(2017年9月)


スペインで開催されたヨーロッパ結晶学会でのM1の金澤君、上地君のポスター発表。巨大な国際会議ですが、日本人参加者は私たち3人いれて5,6人ですから、説明も100%英語です。二人とも立派でした。(2018年8月)


   
ロンドンでの国際ワークショッップでのJensさんと上地くん。(掲載許可ずみ)

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