HOME > 学生の研究、勉強、生活



中性子実験のセットアップが終わって。

学生さんの研究、勉強、生活
東海というところは・・・
卒業生の就職
卒論、修論 題目
実験の風景
日々の勉強
学会とかでの発表経験

学生さんの研究・勉強・生活


大山研究室は、物性物理学、磁性物理学が専門です。工学部でごりごりの物理の勉強ができる研究室で、理学部の物性物理学のグループとも強く連携しています。だから物質科学工学科の3年間の勉強とは全然違うことができます。ただ、3年の固体量子論と結晶解析学はそのまんま研究室の研究につながっています。


東海サテライトキャンパスで勉強と研究をすすめます。日立Cから車で30分くらい。令和2年度は同じ建物にに庄村研(生物系)、小泉研(高分子材料系)、岩佐研(理学部物理)、飯沼研(理学部物理)の学生さんが全部で30人くらいいます。東海全体では40人くらいの茨城大生が勉強しています。

東海キャンパスのある建物。(いばらき量子ビーム研究センター)

4年生の場合、まずは基本的な基礎物性測定(磁化測定、X線での構造解析)にトライしてもらいます。基本的な実験のやり方、実験ノートの取り方など実験系研究の基本を身につけてもらいます。それを助走として、徐々に本格的な研究実験に進んでいきます。中性子実験、放射光実験はチャンスがすくないので、すでにとったデータの解析からスタートしてもらう場合もあります。テーマは5月ころに決定します。

卒業研究、修論研究としては、J-PARCで中性子実験を行いそれを解析して、物質をミクロスコピックな視点で理解する、というものが主流ですが、関連した測定技術開発や単結晶育成もテーマになります。
基本的に研究室が進めている先端的な研究テーマの一つについて責任をもって取り組んでもらう、という考え方をしています。ですから、卒業のためのテーマではなく、それぞれ世界に通用する本格的な研究計画となるテーマで研究をすすめます。当然、よい結果がでれば学会で発表します。

中性子実験、放射光X線実験の機会は希少なので、自分のテーマでなくても実験に参加してもらい、先端施設でいろいろな体験をしてもらいます。とくに放射光施設は、就職後にもつかう可能性がありますから、学生時代に経験しておくといいいでしょう。

実験ノートは支給します。卒業時には研究室の宝として保存します。


実験以外の通常の活動時間は平日朝10時〜午後5時です。R1年度の4年生は5時にきっちり帰ります。

実験、とくにビーム実験中は週末も深夜も早朝もなく実験室にこもり、実験を続けます。徹夜もあるし3連休が実験でつぶれることもしばしば。午前4時集合、ってことも。ビーム実験以外の実験は平日がおおく、実験中もだいたいまともな時間で帰れます。

  
午前4時のJ-PARCでの戦い


実験は主に東海のJ-PARCで行いますが、遠方の研究所で数日間滞在して実験することもしばしば。発表も遠方でやることが多いので、学生さんも出張が多いです。もちろん旅費は研究室が支給します。


放射光X線施設SPring-8(兵庫県)でみんなで実験


学会発表前とか、卒論、修論発表前とかは夜遅くまで準備することもちょいちょい。徹夜はないけれど。

物性物理学、磁性物理学は茨城大工学部の学生さんにとっても未知の分野でしょう。ですから、他大学、他分野からの進学でもあまり不利にはならないはずです。もしも基礎知識に足りない部分があれば、別途勉強の指導をします。

基礎的な勉強として、4年生は名著「固体物理学入門」(著者:キッテル)のセミナーをやります。学生一人一人に担当をきめ、全員に物質の性質の起源を説明してもらい、みんなで勉強をします。
修士の学生さんは、英語論文を研究室のみんなに説明する形式で、セミナーをやります、


4年生の物性物理勉強会



大山研の本棚です。こんな本で勉強します。
(クリックで大きくなり、本のタイトルがよめます)


研究テーマにおうじて、必要ならいろいろな言語を駆使します。いま研究室でつかっているのは
Python, C, C++, Laboview, Igorマクロ、Fortran90


研究室として学生さんの学会発表経験をとても重視しています。それが学生さんの大きな成長につながるからです。平成29年度はそれぞれ5回程度、学会などでプロの前で発表してもらいました。平成30年度はスペインで開催された国際会議にM1の二人が参加しました。通常ならば年度内にそれぞれ4回程度のチャンスがあります。コロナが終わらないとオンライン発表ですが。
--> 学生さんの学会発表


R1年度の学生さん7人は全員バイトをしていました。R2年度の8人のうち(8月現在)5人がバイトしています。きちんと予定を明らかにし、大人として行動してくれれば、実験期間以外はバイトやプライベート活動をするのはまったく問題ありません。コンサートにいくから数日休む、なんてのもOK。一方、実験はとても重要で希少なので、そのときは日程調整をしてもらいます。

R1年度の7人の学生さんのうち4人が東海村に引越しており、3人が日立からかよっていました。6人が車をもっていました。R2年度は、8人の学生さんのうち(8月現在)5人が東海、3人が日立にすんでいて、6人が車、2人がバイクをもっています。現在日立住まいの3人は全員車持ちです。




R2年度からの学生部屋です。広くて快適。



R1年度までの旧学生室です。人数にしてはかなりせまかったけど、その分距離が近くて、いつもにぎやか。



時には学生部屋で飲み会が自然発生することも。


でも、令和2年の学生さん8人のうち3人はお酒を全然のみません。それでも飲み会はいつもにぎやかです。 なので、お酒のまない学生さんでも大丈夫。





▲ページトップに戻る

東海という土地は・・・


東海キャンパスの正門で。(2017年4月)

東海での生活でこまること
重要な学務情報がちょいちょい東海にこない。
キャンパスに生協がない。
証明書、学割は日立にとりにいく。
東海キャンパスから歩けるところには食べるところがほとんどない。
学生部屋がかなり狭い。
学生間の口コミ情報が乏しい。特に就活。
車かバイクがないとちょっと大変。
だから飲み会がちょっと独特。(だから楽しい)


東海キャンパスのいいところ
事務の方々がとても親切で親身にサポートしてくれます。
物性物理分野では、実験設備が学内最高。
茨城大以外の研究者が同じ建物にたくさんいて、先端研究所の雰囲気がある。
車があれば、美味しいお店がたくさんある。
   ラーメン屋:麺次郎、つばき家、大盛軒、優勝軒、覇道、さっぽろ屋
   定食屋:魚康、ななかまど、住吉、なか食堂、餃子房、お魚センター、東里
   そのほか:うどん市、マナカマナ(カレー)、トラットリア パラン
車があれば、ジョイフルホンダ、ファッションクルーズにすぐ。
東海村体育館(ジムあり)にもいける。
いい散歩道がある
敷地内でサッカーとテニスができる。



天気のいい日にはサッカー三昧: 後ろがサテライトキャンパスの建物


研究室の飲み会はこんな感じ。店ではなくて宿舎みたいなとこでやります。飲みたい奴はのむし、テレビみたい奴はみるし、他のことしたい奴はする。





▲ページトップに戻る

学生さんの就職先


一般財団法人 材料科学技術振興財団(MST)(測定、分析を行う機構)
日立ハイテクソリューションズ(計装システムの構築、ソフトの販売)
日立ハイテクサイエンス(医療機器、分析装置の開発と販売)
フジクラ(光ファイバーの開発と販売)
日立ハイテク(たとえば電顕の開発、販売ほか多彩)

卒業研究論文、修士論文


4年生 卒業研究
卒研 タイトル
2020年度 菅野友哉 局所的磁気構造観測法の開発  〜磁気デバイスの最適化シミュレーション〜

2020年度 高野元輝 物質中で孤立した水素の位置決定:粉末中性子ホログラフィーの開発

2020年度 星 翔太 原子分解能ホログラフィーを用いた太陽電池材料SnドープSi薄膜のSn位置の決定

2019年度 荒瀬 将太朗 希土類六ホウ化物TmxYb1-xB6の単結晶育成とTm周りの局所構造観測

強相関電子系の代表物質であるRB6で、単結晶育成に挑戦し、中性子ホログラフィーを用いてTmの引き起こす格子不安定生にせまりました。
2019年度 石武盗l 希土類絶縁体YbCuS2の電気抵抗異常の起源の研究

レアアース化合物として奇異な絶縁体磁性体での結晶構造の異常な変化を発見しました。
2019年度 野田新太 放射化ブロセスシミュレーションによる白色中性子ホログラフィー装置の高精度化

ホログラフィー装置を高度化するために、シミュレーションを駆使して、バックグランドの起源を追求しました。
2018年度 杉本和哉 白色中性子ホログラフィーによる熱電材料BドープMg2Siの研究

廃熱を電力にかえる熱電材料で、添加された微少量のホウ素(B)の位置と性能の関係を研究しました。
2018年度 山本隆文 希土類絶縁体YbAgS2の構造転移の研究

レアアース化合物として奇異な絶縁体磁性体での結晶構造の異常な変化を発見しました。
2017年度 上地昇一 白色中性子ホログラフィーによるRB6 (R: 希土類)の局所構造観測

レアアースほう化物で、不純物をいれたときの格子の異常を観測しました。さらに、ホログラフィーの原理に関する発見をしました。
2017年度 金澤雄輝 白色中性子ホログラフィーを用いたBドープSiの局所構造の研究

半導体に添加した異種元素の役割を研究しました。
2016年度 青野美南 中性子回折による希土類フリー永久磁石材料α”-Fe16N2の相分解での窒素挙動観測

日本にとって重要な磁石材料の構造安定性について研究しました。
2016年度 福本陽平 中性子回折による希土類磁性体Yb5Ge4 の磁気構造解析

レアアース化合物としては奇異な、絶縁体磁性体での磁気モーメントの配列の仕方を研究しました。


修士論文
修論 タイトル
2020年度 杉本和哉 白色中性子ホログラフィーによる 熱電材料の局所構造研究
2020年度 山本隆文 白色中性子ホログラフィーによるB doped Si中の水素観測 〜H,Dを使った同位体の置換効果による検証〜
2019年度 上地昇一 白色中性子ホログラフィーにおける解析手法の確立 ー 希土類ホウ化物RB6でのドープ効果の観測ー
2019年度 金澤雄輝 白色中性子ホログラフィーによるBドープSiの局所構造の定量的研究
2018年度 福本陽平 中性子ホログラフィーの開発研究に伴うシミュレーションソフト開発と白色LED材料SiCの研究




▲ページトップに戻る

実験

中性子実験、放射光実験はけっこう過酷で、週末、ど早朝や深夜の作業はあたりまえですし、徹夜もちょいちょいあります。長いときは1週間〜10日連続での実験になります。東海以外での実験の場合は研究施設の宿泊施設に宿泊して実験します。でも中性子実験は年に6-8回程度で、実験期間以外の大部分の期間は自分のペースでデータ解析と勉強です。東海以外での実験のときの旅費は支給します。

放射光X線施設SPring-8(兵庫県)での宿泊施設の部屋です。ひろくて清潔です。



上はJ-PARCでの中性子実験の風景で、時間は深夜3時ころです。


その場で解析をして、データをみています。実験期間中は実験室に張り付きます。


原子構造解析のための中性子回折実験中です。午前3時です。でも楽しそう。


東海キャンパスにある磁化測定装置で、磁性体の磁化測定の実験です。


  
東海キャンパスにある低温X線回折装置で、磁性体の構造転移の実験です。この実験で4年の石浮ュんがYbCuS2での構造転移を発見しました。


東海キャンパスにあるX線ラウエカメラで、単結晶の結晶軸の決定をしています。


Floating Zone法炉で単結晶育成です。理学部の伊賀先生の装置で、伊賀研の松浦さんのご指導をいただきました。


放射光X線施設SPring-8(兵庫県)で、蛍光X線ホログラフィーの実験です。このときはSPring-8の宿泊施設(快適です)にとまって実験をします。


普段の自主的な勉強

実験以外のときは、セミナーや勉強会によって、専門的知識を勉強します。学生さんが順番で専門書や論文の内容を説明する形式です。4年生は物性物理の名著であるキッテルの教科書からはじめます。ごりごりの固体物理学ですが、内容そのものよりも、どうやって勉強したらいいか?、教科書はどうよめばいいか?を身につけるのが主眼です。
修士学生は自分の研究に関係する英語論文の説明するセミナーをします。結構、学生さんどうしで質問がでます。もちろん、これ以外にも英語論文や中性子の教科書などで自主的に勉強しています。

4年生の勉強会の内容

1:何が結晶中の原子を結合させているか?(イオン結合、共有結合、金属結合)
2:金属中で電子はどう流れる?(自由電子フェルミ気体モデルの議論)
3:金属と絶縁体は何が違う?(バンドとバンドギャップの起源の議論)
4:磁性体の根本はなに?(磁気相互作用の理解)
などなど。


  
4年生はキッテルの教科書で物性物理の勉強会

 
修士学生は、英語論文をよんでそれを説明するセミナーをします。でも大丈夫。説明は日本語です。


▲ページトップに戻る

いろいろな研究者との交流

学内外の第1線の研究者と接することでアカデミックな雰囲気にふれる事、その道のプロと接することは、学生さんにとって重要な経験になるとおもっています。そのため積極的にそういった機会をつくっています。


希土類(レアアース)磁性体でのダイナミクスの研究の第1人者である岩佐先生と、名古屋大学での学会の際に食事をしているところです。(2016年12月)

SPring-8実験の合間に、ホログラフィー解析ソフト3D-Air-Imageの作者である SPring-8の松下先生から、その使い方や、プログラミング言語Pythonの使い方を直接教えていただいているところです。後ろから見ているのは、ドイツ人研究者のJenzさん(2018年7月)


放射光X線実験の専門家である、名古屋工大の木村先生といっしょに放射光X線実験の
セットアップをする上地くん(当時M1) (2018年7月)

▲ページトップに戻る

発表経験

研究の成果を発表することで学生さんはおおきく成長します。なので研究がうまく進んで重要な成果がでれば、専門家が集まる学会やシンポジウムでの発表の機会をつくります。外部のプロの研究者と議論することで大きく成長してもらえるでしょう。H30年度は以下の学会、シンポで発表してもらいました。(旅費は支給します。)
○ ヨーロッパ結晶学会 31回国際会議(Oviedo, Spain、H30年8月)
○ 新学術領域成果報告会(茨城大、H30年10月)
○ 日本中性子科学会 第18回年会(水戸市、H30年12月)
○ 日韓中性子研究会(Daejeon,韓国、H31年1月)
○ 新学術領域ロンドンシンポジウム(London、英国、H31年2月)
○ 日本物理学会(九州大、H31年3月)
○ 新学術領域成果報告会(奈良先端大、H31年3月)

令和元年度は、量子線科学国際シンポジウム、物質科学研究国際会議(MRM2019)、水素科学国際会議、量子ビームサイエンスフェスタ、物理学会での発表を予定しています。
事前にしっかり発表練習の指導をしますから、発表経験がなくても心配ありません。下の写真は、著名な研究者であるAnderson先生に当時4年生の福本君がレアアース化合物の磁性について説明しているところです。初めての発表で、しかも英語なのに、堂々とやってのけました。
で、いくつか受賞もしています

  ー>学生さんの受賞歴はこちら



  
当時4年生の青野さんが、英語で研究の概要を説明をしているところです。(2016年11月)


福岡大で開かれた中性子科学会で、専門家の先生と議論する4年生の上地くん。楽しそうです。(2017年12月)


スペインのOviedoという街で開催されたヨーロッパ結晶学会に参加し、当時M1の金沢くん、上地くんが100%英語で発表しました。(2018年8月)


中性子科学会で。(2018年12月)

英語?

大山研究室では英語を使う機会が他の研究室よりすこし多いかもしれません。共同研究者に外国人が多いからです。 ですが、これまでの学生さんもちゃんと会話をしていますから、心配することはないとおもいます。元々、いまの学生さんの英語のポテンシャルは結構高いとおもっていて、あとは経験値をつむだけだとおもいます。 なので、英語での発表の機会もできるだけ作ります。その際は発表練習をがっちりやるので、これも心配ありません。

H30年5月に外国人研究者が2週間ほど研究室に滞在しました。そのときは学生部屋にはいってもらいました。実験に外国人研究者が参加することもあるので、そのときは公用語は英語になります。


J-PARC実験の合間に、ドイツ人研究者のBenedictさんとJensさんとランチです。(2017年2月)


フランスの放射光実験施設ESRFでの実験中で、当時M1の福本くんが測定を操作しています。奥にいるのはフィリピン人のArtonyさん、手前はドイツ人のJensさんです。(2017年9月)


スペインで開催されたヨーロッパ結晶学会でのM1の金澤君、上地君のポスター発表。巨大な国際会議ですが、日本人参加者は私たち3人いれて5,6人ですから、説明も100%英語です。二人とも立派でした。(2018年8月)


   
ロンドンでの国際ワークショッップでのJensさんと上地くん。(掲載許可ずみ)

▲ページトップに戻る