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関係代名詞

前置詞+関係代名詞の使い方
非制限用法の使い方

There's no art 
To find the mind's construction in the face:
He was a gentleman on whom I built
An absolute trust.
「うわべだけみて人の心を知る事などできはしない。余はあの男に全幅の信頼をおいていたのだ。」

--- Macbeth, Act I, Scn.4

コードーの領主の反乱を鎮圧し処刑した後の、信頼を裏切られたダンカン王のなげき。この言葉どおり、ダンカン王はマクベスの胸に巣くう野心を見抜く事ができず、マクベスの居城で暗殺される。

科学論文では、この形か関係副詞を使わないと表現できない場合が結構あるので、マスターしておく必要があります。論文でなくても、いまも生きている用法です。違和感があるかもしれないけれど、一度使ってしまえば実は簡単です。1つ例文をおぼえましょう。そうすれば大丈夫
なお、関係代名詞thatは前置詞+関係詞の形を使えません。

以下の例文は、前置詞+関係代名詞の説明用に無理に作った文章で、あまり自然ではないと思います。いきなりコピーしないように。

at which

The Bragg peak disappears at T=25K at which the sharp anomaly was observed in temperature dependence of specfic heat.
(specfic heat:比熱)


原形は次の二つの文章

メイン:The Bragg peak disappears at T=25K .
サブ:The sharp anonaly was observed at T=25K.--> at whichで前にくる

whichは、二つの文章に共通する語であるT=25Kの代名詞になっている。
だから、元の関係代名詞を含む文章のat T=25K at which ~は、実は、

  「 at T=25K at which(=T=25K) ~ 」

となり、atの前後はまったく同じ語(T=25K)がきています。しかし、もちろん文章はat whichの前で切れていて、前の T=25Kのもつ重要な意味を後ろの文章で説明しています。これに気づくまでにずいぶん時間がかかりました。でも、これに気づいてしまえばこの用法は簡単です。


この形の関係代名詞は

The Bragg peak disappears at T=25K where the sharp anomaly was observed in temperature dependence of specfic heat.

と関係副詞を使うのと同じです。この文章だと、whereの方が自然かもしれません。というか、自然だな。例文でもat2連続はないわなあ。


Never help a child with a task at which he feels he can succeed.
--- Maria Montessori
(at which = at a task)


The larger the gap, therefore, the higher the temperature at which the gap persists -- in many case, well above the temperature at which the superconducting behaviour of the bulk material ceases.
S.R. Julian and M.R. Norman, Nature 447 (2007) 538から引用。

なんかNatureには前置詞+関係詞のパターンが多いような気が・・・・

in which

Magnetic field was applied in the plane in which the magnetic moments lie.
  (磁場を、磁気モーメントが寝ている面内にかけた。)


原形は
Magnetic field was applied in the plane .
The magnetic moments lie in the plane.--> in which




The combination of the two basis vectors creates a so-called "umbrella structure", in which the degree of out-of-plane canting is a refinement variable.
この二つの基底ベクトルの組はいわゆるアンブレラ構造を作る。この構造では、cantingの成分がfittingのパラメーターになる。
(in which = in the unbrella structure)
A.S. Wills. Phys. Rev. B 63 (2001) 064430から引用。

非制限用法なので、意味としては文は完全に二つにわかれている。だから無理に関係代名詞をつかわなくても、そのままin the unbrella structureでもOK


a small surface could arise from some unknown physical mechanism in which the magnetic field quenches the long-range order
この小さな(フェルミ)面は、磁場が長距離秩序をクエンチするなんらかの未知の物理的メカニズムから生じている。
S.R. Julian and M.R. Norman, Nature 447 (2007) 538から引用。
こっちは制限用法だから意味としても1文になる。でも日本語にするとかえってわかりにくくなってしまった。


La2-xBaxCuO4 is the material in which Bednorz and Muller first discovered high-transition temperature superconductivity.
La2-xBaxCuO4は、Bednorz and Mullerが初めて高温超伝導現象を発見した物質である。
J.M. Tranquada et al, Nature 429 (2004) 534から引用。

日本語だと受け身の方が自然かも。最初にみつかった物質だからただひとつに限定されるので、先行詞がthe material


Let us first consider the simplest situation in which all the nuclei in the scatterer have the same scattering length.
試料中のすべての原子核が同じ散乱長の大きさをもつ最も単純な状況をから考える。
(in which = in the situation)

"Polarisation Neutron"; W. G. Williams


The talent is the call, There is one direction in which all space is open to him.
才能というものは、天の与えた使命である。だから、全てがあなたの前に開かれている、そんな道がだれにでもひとつはあるのだ。
(in which = in one direction)

R.W. Emerson, "Spiritual Laws"


CHAPTER FIVE
in which Piglet meets a Heffalump

Winnie-the-Pooh, Chapter 5, A.A. Milne

「くまのプーさん」5章のタイトル。たしか石井桃子訳では「5章ではコプタがゾゾに会います。」とかだったと思います。原文を生かすなら「5章」を先頭にもってくる必要があるので。
(which = chapter 5)
Piglet meets a Heffalump in CHAPTER FIVE.



There was mirror set in front of Alice in which she could see her reflection.
英国でよんだなんかの小説にでてたフレーズから。


in whichの例文はなぜかいくらでもみつかる。
by which

The method by which the compound was grown was the same as that in ref.1.
  (the compoundを作成した方法は、ref1の方法と同じである。)   

原形は

The method was the same as that in ref.1.
The compound was grown by the method.--> by which


by which = by the method


Democracy is a process by which the people are free to choose the man who will get the blame.
--- Laurence J. Peter
   which= the process


One's past is what one is. It is the only way by which people should be judged.
------Oscar Wilde
   which = the way
   
to which

The magnetic structures to which the basis vectors correspond will now be disccused.
この基底ベクトルに対応する磁気構造を以下で議論する。
A.S. Wills. Phys. Rev. B 63 (2001) 064430から引用。

原形は次の2文
The magnetic structure will be disccused.
The basis vectors correspond to the magnetic structure.--> to which


which = the magnetic structure
on which

Appling magnetic filed changes the lattice constant on which the transition temperature is depend.

原形は
Appling magnetic filed changes the lattice constant.
the transition temperature is depend on the lattice constant.--> on which


which = the lattice constatnt


Courage is the ladder on which all the other virtues mount.
---- Clare Booth Luce, Reader's Digest,



It (the Constitution) is a good canvas, on which some strokes only want retouching.
----Thomas Jefferson (第3代アメリカ大統領)
     which = the good canvas
     
非限定もあるんだな。
そのほか

and therefore, never send to know for whom the bell tolls; it tolls for thee.

John Donne

「それゆえ、だれのためにあの鐘を鳴らしているのかなどと、人をやって聞いたりしてはいけない。あれはあなたのための弔鐘なのだから。」

関係代名詞ではなく疑問詞ですが、ヘミングウエイの「誰がために鐘はなる」は、この詩からとられているという由緒正しいフレーズです。



この用法についてのコメント

「論文はともかく、前置詞+関係詞の用法は古くさくて、今の実用英語では使われないのではないか」というコメントをいただいたことがありますが、それはまったく間違いです。

今でも普通に使われていて、ペーパーバックスの現代小説で頻繁にでてきます。さらに、若者むけ雑誌やごく低俗な小説で1ページに数回でてくることもありました。ですからこの用法は普通に生きています。そもそも、このようほうでないと表現できないことがあるし。
日常的な会話で多く使われているかどうかはたしかめていませんが、ちょっとこみいったことを説明しようとすると、会話でも必要なんじゃないかなあ。複雑な形をした建物の説明とか。






THAT とWHICH

TAHTはWhichよりも限定する力がずっとつよい。そのため、

  先行詞にall., only, 最上級がついていて限定されている単語の場合はthat
  
  非制限用法は限定が弱いのでwhichを使う。ほとんどの場合、thatは制限用法で用いる。
  (ただし、例外的なthatの非制限用法があるらしい。)   
  前置詞がつく場合はwhich   



非制限用法( , whichとか前にコンマがつくやつね)

ポイント


○ 関係詞にかぎらず、英語のコンマはピリオドと同類。だからコンマがつけば、そこで文章がぶったぎられ、コンマの前後は別な文章になる。

これを意識すると、下のことがわかりやすいかも

○ 非制限用法(先行詞 ,which)は先行詞を単に修飾する。制限用法(先行詞 which)は、先行詞をひとつに限定する。
○ だから、制限用法(先行詞 which)と非制限用法(先行詞 ,which)では意味が大きく変わる場合が結構ある。
○ 制限の有無の違いがあるので、非制限用法の関係節の先行詞に定冠詞がついていても、その定冠詞は関係節と無関係な場合がある。

(文法用語が多いなあ。うっとおしい。)

限定:複数あるものから一つ、あるいは少数を選び出す事。
修飾:先行詞の性質を説明する事


非制限用法は、先行詞を限定するのではなく、主文に情報を付け加えるだけ。実際、英語のコンマというのは「弱いピリオド」なので、そこで意味がぶった切られ、コンマ前後は別な文章になっている(ピリオドよりは密接に関連しているけれど)。だから、関係節を省略しても、読者にとって意味はあまり変わらない。あるいは、その文章を読む前にすでに読者は先行詞の事を知っている。

The samples, which are metallic, exhibit an antiferromagnetic transition.

「(今議論の対象になっている)すべての試料は ---(念のためいっておくと)全て金属である。----、類似の反強磁性転移を示す。」

これまでの文章である物質について議論していて、この文はその磁性について説明している。で、,which節はこれまでに説明しているその物質の性質を付け加えている。なので、,which節を落としても、この文で本当にいいたい事には変化がない。

先行詞の冠詞
関係詞だと先行詞にはかならず定冠詞がつくものだと誤解していた時期が結構ながくありました。私だけではないとおもいますが、でもそれは間違いでした。 非制限用法の場合はコンマの前後で別な文章なので、文頭のtheはコンマ以下の関係節とは無関係で、上の例であれば「直前の話にでてきてた試料すべて」 といいたいがためにつけたthe。つまり、この文章より前の説明でどのsamplesか限定されています。だからどの試料の事か、読者はしっています。関係詞節は、限定されているThe sampleをもう少し詳しく説明する、という関係。





非制限用法は前文全体を受ける事がある。その場合は明確な先行詞が存在しないので、結局、主文の冠詞の付き方には関係がない。

The sample shows an obvious anomaly at 25 K, which indicates the compound is an antiferromagnet with TN=25K.


This is the sixth book I have written, which isn't bad for a guy who has only read two.
   ----- George Burns



一方、制限用法の方が先行詞を限定する力が強い。コンマがはいっていないから関係節を含めてひとつの文章だから当然です。このため、関係詞による限定に対応する(あるいは、「which以下の条件を満たすものだけ」を意味する)theがつかないといけません。

The samples which are metallic exhibit an antiferromagnetic transition.

「(今考えている試料のうち、特に)金属である試料は、すべて類似の反強磁性転移を示す。」

たぶんここまでの文章で金属・絶縁体を含む複数の物質について議論している。で、which以下で、the samplesを限定しているので、上の意味になる。一方、絶縁体のものは、反強磁性体ではないかもしれない。


先行詞の冠詞
文頭のTheは「which以下の条件を満たす試料すべて」のTheになる。これは前の文章とは無関係の限定。だから、反強磁性転移を起こさない物質があってもいいし、わざわざこう書くのだからたぶんある。従って、関係節を省略してしまうと、意味が変わるか、どの物質の事か読者には分からなくなる。また、制限用法の場合、which以下の限定を満たさない物質が存在するかもしれない、という点に注意する必要がある。



このように制限用法は強い限定が加わるので、ある単語を単に修飾したり説明したりする場合には使えない事が多い。限定するのではなく単に形容詞句として使用する場合は、非制限用法を使わないといけない。という事は、論文でもたいていの場合は非制限用法(コンマあり)を使うという事になる。一方、制限用法(コンマなし)を使うときは、ほんとに限定したいのかどうか、をよく考える必要がある。



DyB2C2, which has a tetragonal structure, shows an AFQ ordering.
「DyB2C2は、正方晶型結晶構造を持ち、AFQ秩序を示す。」


DyB2C2 which has a tetragonal structure shows an AFQ ordering.
「DyB2C2のうち、正方晶構造をとっているものは、AFQ秩序を示す。(従って、正方晶ではないRB2C2化合物が存在していて、それはAFQ秩序を示さないかもしれない。)」


このように、コンマが入っているかどうかで全然意味が違う。実際にはDyB2C2は(常温、常圧、無磁場の条件下では)常に正方晶をとりAFQ秩序を起こすので、前者の例文は正しいが、後者は物理学的に間違いになってしまう。コンマひとつで!


DyB2C2 with a tetragonal structure shows an AFQ ordering.
も制限用法と同じ意味になるらしい。そうコメントくれたレフリーがいたので。





限定に関するおまけ

実例では未確認なのですが、制限用法は限定するために使うので、十分限定されている先行詞には使えないらしい。だから、次は不適切らしい。文法的な間違いではないと思うけど、二重の限定になるからかな。

不適切:My car which I bought last month has been stolen.

でも次は正しいのだとか。
正:The car which I bought last month has been stolen.
正:Her car which I gave to her last month has been stolen.
正:My car, which I bought last month, has been stolen.
う〜ん。わからん。



日常文をつかっての説明

制限用法
非制限用法

The girl who is talking with David is a famous artist.

読み手は、The girlの事を知らないかもしれない状況。だから、who節がなければThe girlがだれの事かさっぱりわからない。つまり、who節は話し手がどの人物の話をしているかを示している。だから、who節がないと
「あの子、有名なアーティストなんだ。」
「え、あの子ってだれ?」
となる。


My sister, who lives in Bath now, is a dancer.

読み手は、話し手の妹さんの事を知っている。すんでる場所は知らないかもしれないが。 だから、who lives in Bathを落としても、まったく不都合はない。
「僕の妹しってるだろ、今はBathにすんでるんだけど、ダンサーしてるんだ。」「へ〜、すごいね。」
ただ、これは説明のためにつくった文章で、英国人が自分の妹のこと、who is で説明の仕方をするかどうかはしりません。日常会話としては相当不自然なような気が・・・・

Tom who lives in York will come to see me next week.

「Yorkに住んでる方のトムが、来週こっちにくるんだよね。」

このトムの他に、Newcastleかどっかに住んでる別なトムがいる。(やっぱり不自然だなあ)

Tom, who lives in York, will come to see me next week.

「トムっていまYorkに住んでんだけど、来週、こっちにくるんだよね。」

I went to the pub that you recommended to me.

「きみが勧めてくれたあのパブにいってみたよ。」


I went to King's Head, which Urecy recommended to me.

「あのKing's Headにいったんだ。Urecyが良い店だって言っていたんだよ。」
(聞き手はKing's Headというパブをしっている。行った事はないみたいだけど。)
会話での場合

非制限用法は基本的には堅い書き言葉で、話言葉ではほとん使わないのだそうな。順番がおかしくて、話し言葉としてはわかりにくいものなあ。で、会話で非制限用法を使うときは、コンマの位置でほんの少し間をあけるか、関係節でのイントネーションを少し変えるのだとか。ふ〜ん、使い分けるんだ。気がつかなかったけど。




関係詞whatの慣用

I am not what I am.
本当のおれは、他人が知っている今のおれとは違うのだ!
Othello: Act 1, Scene 1

what I am で「今の私、みかけの私」
悪党イアーゴーの独白。オセロー全編の主題でもある。(あと、十二夜も)


Mami is no longer what she used to be.
Mami はもう昔のMamiじゃない。
(what she used to be=昔のMami)


Scientists are not what you suppose them to be.
科学者って、君が考えているような連中じゃないよ。




goodly one; in which there are many confines,
wards and dungeons, Denmark being one o' the worst..

--- Hamlet, Act 2, Scn.2


「そうとも。(この世はりっぱな牢獄だ);この世(=which)には監獄も独房も地下牢もある。中でもデンマークは最悪の牢獄だ。」


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