平成13年1月にこのサイトを本格的に構築し始めてから10年以上たち、いろいろ反応もいただきました。川越は菓子屋横丁の梅干しの様に遊びのないサイトなのに驚きです。こんなのでも役にたっているという事でしょうか。
さて、たくさんの方にご覧いただいておいてなんですが、私は英語という言葉が得意でもないし、言語として好きなわけでもありません。
「作者はさぞかしりっぱな英語を書くのだろう。」なんて思われては困ります。ほんとに。ましてこのサイトを何か権威のあるかのごとく思わないでください。ここにある情報は、基本的には自分のためのメモです。私がしっている事ではなく、しらなかった事のまとめです。だからここの情報を頭から信じたりはしないでください。
つまり・・・
苦手ですけれど、それでも英語で論文を書かなければいけませんから、資料・参考書を使っていろいろ調べます。で、それで得た知識の整理のために、自分用のメモと例文を少しつつ作り、それをhtml形式で保存していました。ファイルにしておけばテキスト検索する事ができますし、また、html化しておけばローカルリンクによって情報を相互に関連つける事も簡単ですから、普段から役にたつメモはとりあえずhtml化する事にしていたためです。つまり始めは完全にlocalな自分専用のものでした。
ところが、気がつくと英語のメモが結構な量に増殖していて、自分でも分かりにくくなったのでindexをつけて整理する必要がでてきました。それならばいっそと、メモを他の人にも分かる形に構築しなおしてWebで公開する事にしました。
私は研究者として以前からWWWを媒体として重視していました。そして自分も研究者である以上、情報発信をするWebサイトを持つべきだと思ったからです。
およそ研究者は職業柄なんらかの知識を大量にもっています。そして、大学・公的研究所の研究者であれば、その知識は多かれ少なかれ税金を使って得たはずです。従って、研究者には自分の知識や発見を他人に伝える責務があると考えています。
通常その責任は、論文を発表する、教科書を書く、授業を持つ、学会で発表する、などの行為によって果たされるのですが、このサイトにあるようなすきま情報の場合、そのようなまっとうな方法で公表するのは無理でしょう。でも、ため込んだ情報を自分だけのものにしてしまうのももったいない話です。この点、Webなら、出版社の依頼がなくても、閲読者との闘いをしなくても、情報を発信する事ができます。また、いつでも更新、修正ができて、常に最新最良の情報を提供する事ができます。ですから、私は、他の研究者に役にたちそうな情報があれば、どんどんWeb公開する事を心がけています。このサイトもその一つです。また、このサイト以外に、
実験手法と解析に関するサイト、
国際会議情報ページ、それに(一番できが悪いけど)
自分の研究に関するサイトなどを作りました。どれも限定されたジャンルの研究者を対象にしているので、アクセス数は当然とても少ないのですが、少しは役にはたっているのではないかと思います。(あと、ふざけたサイトを2つ、3つ・・・)
実をいうと、私がWebを重視するようになったのは、研究者Web界の巨人、
泉先生の影響です。泉先生は、Webを研究者にとって必須のメディア、理想的出版環境と捉え、webを最大限に活用されています。先生のサイトをみて、Webでの情報発信を積極的に始めるようになりました。もちろん発信情報の価値・質・量とも他を圧倒する先生のサイトと、私のサイトたちでは比べるべくもありませんが、貴重な情報を出し惜しみする事なくWeb公開し続ける泉先生の精神を、私も共有しているつもりです。「
人の役に立つ情報を少しつつでも発信する事」、Webサイトを運営する上でこの事を忘れた事はありません。
@niftyのサーバーを使っています。html-Editorはアートマン21のJChecker3を使っています。Editor機能が充実しているしhtml文法チェッカーやリンクチェッカーが軽くて使いやすいので気に入っています。
更新は不定期で、ネタを見つけたときにやっています。ネタがないとどうにもできませんので、ネタは、論文を書いている最中に見つかる事が一番多いと思います。論文を書く際には辞書や参考書をいろいろと調べますから、その時に気づいたものをストックしています。情報の性質上、ひんぱんな更新は重視していません。最近(平成18年冬)はほとんどいじっていません。情報がサチったようです。(あれ?サチるって、業界用語か?出尽くしたってことね。)
英語米語は、論文とは関係なく、英国で買った小説や雑誌、映画、テレビ番組といった生の情報からとってきています。もちろん英国で出版された教科書もよく使っています。載せている写真は自分で撮ったものです。
著作権には気を使っているので、引用文自身を除けば、日本語文、英文、訳文とも自分で作っています。
本当は、もうすこしビジュアルを考えたサイトにしないといけないのかもしれませんが、どうもデザイン、色彩の才能がまったくないので、私の作るサイトはいつもこんな地味なもんです。デザインを気にして時間をかけるよりも、例文の一つでも増やした方が喜ばれると思っています。実際、悪趣味な原色のごてごて、ちかちかよりはましでしょ?
ところで、だれも気づかないかもしれませんが、あちこちの例文にごくごく一部のマニアな人に向けてちょっとしたおふざけを混ぜ込んでいます。気づいてくれる人がいるとうれしいけど、無理かな。
文学であり、論文用の例文にふさわしくないのは分かっていますが、珠玉の名文の宝庫です。訪問者の知性に耐える例文を用意するには、ちょうどいいのじゃないかとも思っています。また、資料も大量にあるので、現代英語との比較も苦労はありません。著作権もきれていますし。
できれば、このサイトにきた人がシェークスピアにちょっとでも興味をもってくれたら、と思っています。少なくとも私にはシェークスピアは古くも無いし、堅苦しくもありません。読み直すたびに発見があります。チューダー朝イングランドでも21世紀の日本でも、人間のやる事に大差はなく、シェクースピアはその人間の普遍的な悲喜劇を描き出しています。このサイトではあまり詳しく紹介できないので、
言葉のBlogで、シェークスピアの紹介を始めました。もし、戯曲が苦手なら、
映画はいかがですか?
と言われる事がありますが、まったくの誤解です。英語は別に好きではありません。英語を美しいとも思わないし、世間がいうほど合理的とも思いません。好きなのは「言語」や「言葉」です。もっとも情報が多い言語として英語をあれこれいじりたおしているだけです。好きな言語という事では、イタリア語やドイツ語の方が好きですし、まだ手をつけていませんがゲール語やラテン語なんかの方がよほど興味があります。韓国にいくチャンスが増えそうなので、韓国語もやってみたいと思っています。「言葉」として、中国や日本の古典作品にも強く魅かれています。